都響2020年度楽季ラインナップ発表
ユキさん! 都響(東京都交響楽団)の新楽季のラインナップが発表されましたよ!
そうだね、まだ軽くしかチェックできてないから少し待っててね。ちなみに、ベルの見どころはどんな感じ?
1. クラウス・マケラ、再臨!
2. オスモ・ヴァンスカ、登壇!
3. ヤクブ・フルシャ、帰還!
わたし的にはこんな感じのトピックスです。
じゃあひとつずつ順番に展開してもらおうか。
クラウス・マケラ、再臨!
まずはフィンランドの若き新星、クラウス・マケラ氏です!
まだ20代前半なのにイケイケだよね。2018年に都響とシベリウスの交響曲第1番を演奏した時も、大絶賛の嵐だったし。
フィンランド独立前後の血生臭い雰囲気がそのまま伝わってくるような、大迫力な歴史大河スペクタクルでしたよね。あの年齢で都響をあそこまで鳴らせるのは凄いです。首席客演指揮者でも何でも、早く囲うべき……
で、次回も前半はシベリウスの曲が2つ、と。
「フィンランディア」は有名ですが、「春の歌」はずっと生で聴いてみたかった好きな曲なので、楽しみです!
もちろん、「フィンランディア」も楽しみですよ!
フィンランド出身の指揮者が奏でる「フィンランディア」は特に味わい深いよね。みんな少しずつ違って、それでいてそれぞれの思いが溢れていて。
日本で言うと「ふるさと」にあたる曲ですからね。歌詞の方向性は全然違いますけど、故郷の風景と、そこに生きる人々の心が表現されていて。クラウス・マケラ氏はどんな「ふるさと」を描くんでしょうかね。
でも後半の曲はシベリウスじゃなくて、ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」なんだね。レニングラード包囲戦の最中に作られたとして有名な曲だよね。
レニングラード(サンクトペテルブルク)は地理的にはフィンランドやエストニアのお隣さんですし、そこはまあ誤差なんじゃないですか。きっとうまくやってくれますよ。
フィンランドはレニングラードを「守る側」じゃなくて「攻める側」の陣営だったけどね……
ヤルヴィ先生の時がそうだったように、またシベリウスの交響曲第1番の演奏がそうだったように、生々しい戦争模様が表現されるんじゃないかと期待しちゃいます。
ベル、2年前にヤルヴィN響の「レニングラード」を聞いた直後は、3日間くらいずっと何かに怯えるようなテンションだったもんね……
あの臨場感は、映画「ダンケルク」なんてもんじゃなかったですよ…… うう、思い出すだけで気分が……
オスモ・ヴァンスカ、登壇!
東京都交響楽団 第911回定期演奏会A
2020年11月11日(水) 19:00開演
東京文化会館 大ホール
指揮:オスモ・ヴァンスカ (Osmo Vänskä)
ヴァイオリン:アリーナ・ポゴストキーナ (Alina Pogostokina)
シベリウス:「カレリア」序曲 op.10
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
シベリウス:交響曲第3番
で、次のオススメはオスモ・ヴァンスカだっけ。クラウス・マケラと同じフィンランド出身の大御所で、ラハティ交響楽団を率いてブレイクしたことでも有名な指揮者だよね。
オスモ・ヴァンスカ氏は、シベリウスのスペシャリストとして名高いですよね。まだ生で聴いたことのない交響曲第3番を演奏するとのことなので、わたし的には大注目です。
交響曲第4番や交響曲第6番、クレルヴォ交響曲ほどマイナーではないけれど、まぁ演奏機会の少ない曲だよね。
そして前半の「カレリア」組曲も……
あれ、待って。 これ「カレリア」組曲 (op.11)じゃなくて、「カレリア」序曲 (op.10)なんだけど……
?? あっ本当だ…… 何が違うんですか?
「組曲」の方は、劇曲「カレリア」から3曲を抜粋したもの、そして「序曲」の方は文字通り劇曲「カレリア」の序曲だね。似たような主題は出てくるけれど、曲としては全然別物だよ。
あまり意識して聴いたことがない曲ですね…… ってことは、めちゃくちゃレアな曲じゃないですか!
わたしとしては「組曲」も聴いてみたかったんですが、「序曲」もがっつり楽しみですね!
ヤクブ・フルシャ、帰還!
東京都交響楽団 第914回定期演奏会B
2020年12月10日(木) 19:00開演
サントリーホール 大ホール
指揮:ヤクブ・フルシャ (Jakub Hrůša)
ドヴォルザーク:交響詩「水の精」 op.107
ドヴォルザーク:交響詩「真昼の魔女」 op.108
ドヴォルザーク:交響詩「野鳩」 op.110
ドヴォルザーク:交響詩「金の紡ぎ車」 op.109
そしてフルシャ氏が都響に帰ってきますよ!
ヤクブ・フルシャは少し前まで都響の首席客演指揮者を務めていた、チェコ出身の若手指揮者だね。そっか、首席客演指揮者の契約が終わってから今回初めて都響に戻ってくるんだね。
フルシャは今年はバンベルク交響楽団の首席指揮者としてBBC Promsの2日目に登壇したり、N響とも共演したりして、世間的に見ても今イケイケの指揮者だよね。
そしてドヴォルザーク! 地元チェコものですよ!
……まぁ、ドヴォルザークの交響詩は何ひとつ知らないんですけどね。
それはこれから聴けばいいさ。チェコ出身のフルシャならいい感じにやってくれるだろう、っていう謎の安心感もあるし。
あとは、わたしが気になったのはチャイコフスキーの交響曲第2番「小ロシア」とかですかね。マイナーですが好きな曲です!
マイナー曲って言ってる割に、「小ロシア」はこの9月にヤルヴィN響も演奏したばかりだよね。
N響と都響は妙なタイミングでプログラム被っちゃいますよね。直近だと「1905年」とか、「くるみ割り人形」全曲とか、クレルヴォ交響曲合唱付きとか…… 聴き比べできる分には大歓迎なんですが。
私はデンマーク出身の指揮者、トーマス・ダウスゴーが少し気になるかな。デンマークの作曲家、ニールセンの交響曲第4番「不滅」をやるらしいし。
あとは、エリアフ・インバルや大野さんは勿論のこと、準・メルクルとか尾高忠明さんとか、有名どころがずらりと並んでいる感じだね。
……あれ、そういえばマルク・ミンコフスキ氏がいませんね。まぁ、サマーミューザとかでポッと出てくる可能性もありますけど。
あと、今季と比べるとアラン・ギルバートの出番も少ないような気がしなくもない…… でも、アランがベートーヴェンの交響曲第9番をやるのは気になるなぁ。
それと、新楽季は「ベートーヴェン生誕250年記念・交響曲全曲シリーズ」と銘打って、色んな公演でベートーヴェンの交響曲を取り上げるみたいだね。
わたしのオーケストラ生演奏への入り口が「ベートーヴェンの交響曲を生で全曲聴いてみたい!」だったので、どこか惹かれるものを感じます……
というわけで、2020年度も都響から目が離せませんね! 今から楽しみです!
東京都交響楽団 第902回定期演奏会A
2020年4月21日(火) 19:00開演
東京文化会館 大ホール
指揮:クラウス・マケラ (Klaus Mäkelä)
シベリウス:交響詩「春の歌」
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」
※4月20日(月)の定期演奏会C(池袋)も同プログラム