この記事の内容は、うさぎの主観がメインとなります。そのため、一般的な解釈や作曲者の意図とは必ずしも合致しません。ご理解いただける方のみお読みください。
導入
というわけで、ウラジオストクのマリインスキー劇場沿海州別館に来ました! 今この劇場では「国際極東祭」という音楽フェスティバルが開催されているんですよ!
国際極東祭 (Международный Дальневосточный фестиваль «МАРИИНСКИЙ»)
極東ロシアのウラジオストクにあるマリインスキー劇場沿海州別館で、夏季に開催される音楽フェスティバル。主なジャンルはクラシック音楽、オペラ、バレエ。アジアの周辺各国や、マリインスキー劇場本館(サンクトペテルブルク)などからゲストが招かれる。直訳すると「マリインスキー国際極東祭」になるが、当サイトでは「国際極東祭」として統一する。
関連リンク
第4回国際極東祭 紹介ページで、今日のプログラムはこんな感じです。
ワーグナーのオペラは初めて見ます。音楽的な相性はそこまで悪くないとは思うんですが、わたしはワーグナーについてはそこまで詳しくないので正直どうなるか……
しかし、なんと言っても指揮者がマリインスキー劇場の芸術監督であるゲルギー(ヴァレリー・ゲルギエフ)ですからね! しかも、オーケストラもサンクトペテルブルク所属のマリインスキー劇場管弦楽団です!
マリインスキー劇場沿海州別館では、普段の公演はウラジオストク所属のオーケストラが担当している。(「Mariinsky Theatre Orchestra of the Primorsky Stage」などと表記される)
サンクトペテルブルク所属のマリインスキー劇場管弦楽団とは厳密には別物なので、公演を選ぶ際は注意が必要。
この組み合わせ、来日公演だったら最後列の席でも軽く1万円はしそうですが、ここでは良い席でも数千円で楽しめるので破格ですね…… あ、交通費や宿泊費のことは考えないでください。
と、ひとりごとはこのあたりにして、そろそろ中に入りますか。
マリインスキー劇場 沿海州別館
劇場から見た金角湾大橋
手荷物検査
入口では手荷物検査をやっています。ロシアの劇場や公共施設では恒例ですが、初見ではびっくりしますよね。何度も通ると慣れますが、それでも貴重品は無くさないように注意しないとですね。
※うさぎは以前、駅の手荷物検査でスムーズに通ろうとした結果、うっかりパスポートケースを落として紛失しかけたことがあります。
というわけで中に入りました。この劇場に来るのは初めてですが、ガラス張りの近代的な雰囲気が最高ですね! わたしの地元にも持って帰りたいくらいです!
この構図のゲルギー、サンクトペテルブルクの「白夜の星音楽祭」でも見たような気が…… 別館なのでそういうのも使い回してるんでしょうかね。
白夜の星音楽祭
ロシアのサンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場で、5月から7月にかけて開催される音楽フェスティバル。主なジャンルはクラシック音楽、オペラ、バレエ。コンサートホールと新旧劇場の3箇所で、ほぼ毎日様々なプログラムが組まれる。新しい演目の初演などもこの時期に行われることが多い。
公演プログラム(100ルーブル)
公演プログラムを買ったら、CDがついてきました! なんかお得な気分です! そういえば、今日の「パルジファル」は、沿海州別館では初演みたいなので、そういうのもあってオマケがついてるんですかね?
でもよく書いてある文字を見たら、このCDも「白夜の星音楽祭」の使い回しでした。貰えるものはなんでも貰うタイプなので、別にいいんですけどね……
あ、冊子はロシア語表記しかありませんでしたが、そこに挟まっているプログラムの文章は半分が英語表記なので、ロシア語読めない人でも大丈夫ですよ。あとオペラの字幕も、基本的にロシア語と英語の二ヶ国語表記です。
マリインスキー劇場(別館含む)のオペラ公演は、ロシア語と英語の二ヶ国語表記の字幕が付くことが多い。公式ウェブサイトの当日プログラムの概要ページには字幕の有無が書いてあるので、心配な場合は事前に必ず確認すること。「synchronised English and Russian supertitles」とか書かれていればOK。
感想
というわけで感想パートです。作品のあらすじについてはWikipediaを参照してください。
歌劇
リヒャルト・ワーグナー:
「パルジファル」
関連リンク
パルジファル - Wikipediaまずひとこと言うとすれば、この作品を評価するにはわたしはワーグナーを知らなさすぎる、それに尽きます。世界観にしろ、音楽観にしろ。
あとは、難しい言葉が多すぎて半分くらい字幕が分かりませんでした…… 英語字幕があれば大概なんとかなるんですが、この作品はそうはいきませんでした。音楽だけじゃなくて内容の予習も一応してたんですけどね。
で、肝心の内容は、ざっくり言ってしまえば主人公が強い系の王道ストーリーって感じでした。
第2幕ではラブ的な要素もありました。この作品が作られた時代にも、一定以上そういったシーンを入れないと売れないとか、そういうイマドキの映画みたいな事情があったんですかね?
あと印象的だったのは、バルコニーを使った演出ですね! 金管楽器を鳴らしたり、合唱を配置したり、そういった劇場を広く使う演出は素晴らしいですね! 舞台の装飾の煌びやかさも相まって、臨場感バツグンです!
オペラはかつての全盛期と比べると「廃れゆく文化」という面が否めないですが、字幕をつけたり演出を凝ったりして、こうやって今も支持されていることは素晴らしいですよね。これは世界中どこに行ってもそう思います。
カーテンコール
カーテンコール
終演後
いやー、長かったです。予定では18:00開演でしたが、実際に開演したのが18:30、そこから1回目の幕間が20:20、2回目の幕間が22:00、劇場を出る頃にはちょうど日付が変わっているという……
さすがに第3幕が始まる頃にはお客さんもそこそこ少なくなってました。眠いから帰るのか、面白くなかったのか、それともわたしみたいな一見の観光客なのか……
金角湾大橋のライトアップも22時くらいで消えちゃいましたし…… 「夜遅くなっても歩いて帰ればいいや」と思ってあの対岸あたりに宿をとったんですが、そもそもこの橋は歩いて渡れないんですよね……
金角湾大橋は徒歩では渡れない
対岸に行くにはバスやミニバス、もしくはタクシーに乗る必要があるんですが、もう真夜中なので公共交通に期待するのはよくないですね。おとなしくタクシーの運転手っぽい人を探します……
タクシー
やっとの思いでタクシーの運転手さんを捕まえて、350ルーブルで宿まで送ってもらうことにしました。相場の倍くらいな気がしますが、深夜で雨も降っているので、背に腹は変えられませんね。それでも地元の初乗り運賃より安いですし。
交渉しても割高なことが多いので、心配な人はYandexの地図アプリなどで配車するのが安全。
Приморская сцена Мариинского театра / Primorsky Stage of the Mariinsky Theatre
マリインスキー劇場 沿海州別館
- 住所
- г. Владивосток, ул. Фастовская, д. 20 /
20 Fastovskaya Street, Vladivostok, RUSSIA
- アクセス
- 各種路線バス・ミニバスなど
- リンク
- 公式ウェブサイト
第4回国際極東祭 (8/3)
2019年08月03日(土) 18:00開演
マリインスキー劇場 沿海州別館 大ホール
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ (Valery Gergiev)
マリインスキー劇場管弦楽団 (Mariinsky Theatre Orchestra)
ワーグナー:歌劇「パルジファル」