松方コレクション展 導入


というわけで西洋美術館ですよユキさん!

うん、今日は松方コレクション展を見に来たんだよね。

関連リンク
松方コレクション展 | 公式ウェブサイト
関連リンクにも書いてあるとおり、松方コレクションは現在の国立西洋美術館収蔵作品の母体とも言えるんだけれど……

ひとつ質問いいでしょうか。

……まだ話の途中だけど、どうぞ。

松方コレクションが西洋美術館の母体なら、「松方コレクション展」ってほとんど「国立西洋美術館コレクション」なのでは……?

その質問は半分正解だよ。実際、展示される作品の約7割は国立西洋美術館のものみたいだね。常設展で見たことあるのも多いと思う。でも、あまり表に出てこないレアな作品もあると思うよ。

ただ残りの約3割、散逸したコレクションも世界中からここに集められるわけだから、見ごたえは十分じゃないかな。ゴッホ「アルルの寝室」とかもオルセー美術館から来るわけだし。
関連リンク
みどころ - 松方コレクション展
つい最近見つかって修復されたばかりのモネ「睡蓮、柳の反映」も初公開されることだしね。

だいたいわかりました。つまり、
①モネ「睡蓮、柳の反映」初公開
②国内外からコレクション大集合
③国立西洋美術館収蔵のレア作品
が見どころってことですね。

そんな感じだね。チケットも買ったし、館内のロッカーに荷物預けたら行くよ。


えーと、階段を降りて、チケットを見せて、さらに階段を降りたら…… あった、入口はあっちですね。


待たれい。

ぎゃん! 何ですか、首根っこ引っ張らないでください。

入口はそっちで合ってるけど、その前に見るものがある。看板をよく読んで。

えーと……「← モネ≪睡蓮、柳の反映≫デジタル復元図はこちら!」ですか? 一体何があるんだろう。


おおお! すごいですね! プロジェクターで「睡蓮、柳の反映」の全体復元が映されています!

発見時、既にかなりの部分が剥がれ落ちてしまっていた「睡蓮、柳の反映」だけど、本来の全体図はこうだった、っていうのがよく分かるね。

白黒写真が残っているので、色以外は「確実にこうだった」って言い切れるのが強いですね。色はかなり再現が大変だったと聞きましたが……



プロジェクターでの投影なので真ん前でかぶりつくことはできませんが、大きさは作品そのものですし、本当に目の前に作品があるかのような感覚ですね。

というわけでこれから行く人は、階段降りたらすぐ中に入る前にデジタル復元図をよく見ておくことをおすすめします。意外とスルーする人が多かったので。

じゃあ中に入りましょう。特別展の中は撮影禁止なので端折ります。

松方コレクション展 感想


というわけで見終わったので反省会といこうか。

「裕仁殿下のル・アーヴル港到着」が最高でした。戦艦の威容が素晴らしいです。わたしが描くのは到底無理ですし、写真でもあそこまで表現できる気がしません。

ってそれ国立西洋美術館の収蔵作品じゃん。

好きなものは好きなんだから仕方ないじゃないですか。そういうユキさんはどうだったんですか。

ポール・シニャックのスケッチ2点が良かった。シニャックの物の見方がなんとなく理解できた。

ってそれも西洋美術館収蔵作品じゃないですか。

いいじゃん、あれあんまり表に出てこなそうだし。

あとはシスレーの油絵2点もよかったです。シスレーはどこまでいってもシスレーって感じの画風で安心します。


で、肝心のモネ「睡蓮、柳の反映」の感想は?

……

作品の約半分が失われた状態は「痛ましい」の一言に尽きますね。

2019年10月、常設展にて撮影

もし作品がそのまま残っていたなら、より作品と対話をすることもできたでしょう。でもそれは、復元図のおかげである程度叶えることができます。

そしてパリのオランジュリー美術館で見た「睡蓮」の大きな絵を思い出しました。あれと同じ規模の作品が半世紀以上もまともに管理されなかった結果、あのような痛ましい状態に…… いえ、疎開時の早い段階で今のような状態になっていたのかもしれません。

2019年10月、常設展にて撮影

なので「睡蓮、柳の反映」と直接対峙した時に、まず一番に感じたのは「歴史のif」についてです。
もしコレクションが世界恐慌の影響を受けなかったら…… もし第二次世界大戦の影響を受けず、そのまま日本に持ってくることができていれば……

そう、それは「松方コレクションの運命」そのものなんですよね。松方コレクションの運命そのものが1枚の絵に収まっている、それが今の「睡蓮、柳の反映」という作品なんだと感じました。

……ベル?

はっ……
すみません、ついスイッチ入っちゃいました。ともかく、損傷したことで、絵の持つ意味が全く変わってしまい、それでもなお大きな意味を持つ…… そんな「鏡」というか「器」のような作品だと思いました。

急に真顔になられると反応に困る…… まあ、言いたいことは大体わかる。

実物の後に復元図の展示があれば、本来の作品への理解がより深まると思ったんですが…… でも「松方コレクション展」として見ると、あの実物が最後を飾る意味は大きいですよね。

NHKスペシャルでもやっていたけど、ここまで修復した人たちの努力にも感謝だよね。そのおかげでこうして色々感じ取ることができるんだから。

実物と復元図の両方とも、いずれは常設展の方でも広く展示してもらいたいですね。専用スペース作らないと飾る場所が無さそうですが……

今の常設展にある「モネの部屋」の壁が半分埋まりそうな大きさだもんね……
THE MATSUKATA COLLECTION; A One-Hundred-Year Odyssey
松方コレクション展
- 場所
- 国立西洋美術館
- 開催日時
- 2019年6月11日(火)~9月23日(月)
- 注意事項
- 休館日に注意
- リンク
- 公式ウェブサイト

モダン・ウーマン

さて松方コレクション展見たので帰りますか。

待て待て、まだ「モダン・ウーマン」見てないでしょ。

ああ、そういえばそれもポスター貼ってありましたね。

2019年6月~9月のラインナップ

フィンランドとの外交関係樹立100周年記念ってことで、ヘルシンキのアテネウム美術館からいっぱい来てるみたいだね。

アテネウムから…… ってことは、エデルフェルト先生の作品も来てるといいですね!

いや、女性画家特集だからアルベルト・エデルフェルトは無いと思うなあ。男だし。

ひーん…… モダンなウーマンを題材にして描いた絵ならいっぱいあると思うんですけど……

「モダン・ウーマン」は常設展の中で開催しているので、常設展のチケットさえ持っていれば入れるよ。松方コレクション展の半券で入れるね。

ってことは常設展が無料になる金曜土曜の夕方も無料で入れますね!

館内図 新館2階が「モダン・ウーマン」


おお、常設展の作品がなくなって「モダン・ウーマン」の会場になってる……

新館2階で展示されていた常設展の作品は、新館1階で見ることができます。


ここ撮影禁止マークが無いんですけど、写真撮っても大丈夫なんですかね……?

写真撮影可否も常設展に準じるみたいだね。ダメだったら既に学芸員さんに咎められてるだろうし、フラッシュさえ焚かなければ大丈夫そうだね。

わーい西洋美術館大好き!アテネウム愛してる!

追記:後日再訪したら「撮影OK」の看板ありました。


マリア・ヴィーク「ボートをこぐ女性、スケッチ」

マリア・ヴィーク「芸術家の姉ヒルダ・ヴィークの肖像」

マリア・ヴィーク「別れ、石垣のための習作」

ヘレン・シャルフベック「母と子」

このあたり、メアリー・カサットの作品に感じるようなふんわりとしたぬくもりを感じますね。よい。

こっちの絵は北国の感性を感じるね。新潟県でもよく見る色合いな気がするよ。

エレン・テスレフ「ヤマナラシ」

さて、あっちの展示室にも続くみたいだね。

続き

ここも、いつもの小企画展にあるようなでっかい撮影禁止マークの看板がないってことは…… 遠慮なく撮らせていただきます。





ふおお、わたしの大好物の直筆スケッチじゃないですか。こういうのを見ると、普段のわたしたちのお絵描きと、偉大な先人たちのお絵描きが陸続きで繋がっているように感じられて、わたしもお絵描き頑張ろうって励まされるような気持ちになるんですよ。

「アカデミー・ジュリアンを去る女性芸術家たち」

パリにおいて、北欧出身の皆が帰路につく中「スペイン人女性」と書かれた女性だけが絵を描き続けている…… 言われてみれば確かに示唆的というか風刺的だね。

今でこそ先進的とか男女平等とか色々言われている北欧ですけど、こういう時代も確かにあったんだなって感じがしますね。

1870年代って、フィンランドはまだロシア帝国の影響下だもんね。シベリウスもまだ子供時代だし。

今年が日本とフィンランドの外交樹立100年ですけど、そこからさらに50年弱も前の話なんですね…… なんだか気が遠くなってきました。日本はまだ西南戦争とかしてた頃ですし。

常設展

規模のわりに見ごたえのある展示だったね。さて、1階に降りて常設展の続き見たら帰ろうか。

新館1階

ふだん新館2階にあるような作品も1階にまとめられてて、なんか少し窮屈な感じがしますね。

モネとかルノワールとか有名そうな作品はみんな松方コレクション展の方に行っちゃった気がするから、こっちには意外とレア作品が表に出てたりして。

あっ、ブーダンの大きい絵がありますよ! 西洋美術館にもブーダンの絵あったんですね!



上野公園 夏至の夕暮れ

というわけで今日はどうだった?

……西洋美術館のバックヤードの大きさを痛感しました。松方コレクション展にあった版画やスケッチみたいな収蔵作品も、常設展で日常的に見られると嬉しいなあ。

それは確かに思うところがないこともない…… でもネットで収蔵作品見られるし、季節ごとにたまに展示替えてくれるし、やっぱり日本を代表する素晴らしい美術館だと思うな。

金曜土曜は夜20時まで展示開いてますし(※)、しかも金曜土曜の夕方17時以降は無料で常設展入れますもんね。西洋美術館はいいですよ!

※月末の金曜日と夏季は21時まで。開室時間の詳細は公式サイトを参照。
関連リンク
ご利用案内|国立西洋美術館The National Museum of Western Art
国立西洋美術館
- 住所
- 東京都台東区上野公園7番7号
- アクセス
- JR上野駅 公園口から徒歩1分
- 営業時間
- 9:30~17:30
金曜土曜のみ9:30~20:00 (夏季など21:00)
- 注意事項
- 月曜休館 (祝日前後に例外あり)
- リンク
- 公式ウェブサイト
追記:
「睡蓮、柳の反映」は2019年10月4日から常設展での展示が始まりました。詳細は下記の記事をご参照ください。